寝る部

常識にとらわれない新しい〝快眠〟を日々探求しているブログ

連載ブログ小説『せんぱいせんぱいせんぱい乾杯、せんぱいサンライズ』(第3回)

京都のとある有名女子高に勤める男性教師に巻き起こるミステリー。

今回は3回目です。


●第1章――日の出(第3回)
 そんな宗崎が特に一番熱を入れていたことは問題児の更生と教育であった。不登校や引きこもりやいじめはどのクラスにもあるし、来たくもないものは来なければいいと思って事実上無視している私とは違い、彼はよく身体ひとつで持つものだというくらい熱心に毎日毎日問題児と連絡を取り、時には直接家庭に赴いて更正に手がけていた。過去彼の手によって改心した生徒はあとを断たず、そういう卒業生が今だ彼を訪れては色々な相談を持ちかけているのは職員室の当たり前の光景なのである。

「就職?おまえももうそんな年になったかい!」
「せやけどな、彼氏がもう働いとんねやんかー、その人に結婚してって言われてんねやんかー」
「せやけど、一回ちゃんとおまえも働いてみるっちゅうことはええことやで。その彼氏にべったり依存して生きると、何あるんかわからんしな」

 まさに鑑。

 まさに教師の理想。

 その聖人君子の仕事ぶりに、私に関わらず、教員達全員がただ頭が下がる思いしかしていなったことは言うに及ばない。

「宗崎先生が口の中に股間を入れて来たの……。すごい吐き気がして、呼吸もできなくて苦しくて……。助けてって先生を見上げました。でも先生はあたしをじっと見下ろして、笑ってたの……」

 これは一昨日の晩のことである。

 告白している少女も登校拒否生徒の一人で、宗崎は彼女の家に行ったりメールを送ったり手紙を送ったり遅れた勉強を見てやったりと更生に手がけること、実に一年に及んでいたという。

(つづく)

 

tsukarukatamade.hatenablog.com