(令和2年1月9日更新)
やってしまったようですね。
仕事が忙しい日に寝違えると、最悪にうざい。いや、そういう日に限って忙しい。重い物を持たなければいけなかったり、全力疾走をしなければいけなかったりするような事態が次々と起こる。丸一日本調子が出ず、時間とともに治るどころか、どんどん痛くなってくる始末。
――枕が悪かったのかな。
――寝相が悪かったのかな。
と、もしかしたらあなたは思っているのかもしれません。しかしそれは寝違えの根本的な原因ではありません。
だって考えてほしいのですが、別にあなたは昨晩、拘束されていたわけではありません。辛いなら、寝返りを打てばよかった。問題は「なんであなたは昨晩寝返りを打てなかったのか」なのです。そこまで掘り下げない限り、あなたは寝違えを繰り返してしまうでしょう。
ここでは、あなたができるだけすぐに本調子に戻れるように、寝違えの原因について説明し、そして適切な対処法についてご説明しています。
寝違えの原因は主に「疲れ過ぎ」
寝違えの原因は、寝方が悪いとか寝相が悪いとか枕が悪いわけではありません。
悪い姿勢なのに、姿勢を正せなかったこと。
なぜ寝返りを打てなかったのか。
原因は以下の5つです。
寝違えの原因その1――飲み過ぎ。
飲み過ぎによって寝違えが起こる原因は2つあります。
まず1つ目は泥酔状態になると、死んでしまったように寝てしまうということ。特に昼の仕事で疲れ切っているのにもかかわらず、付き合いなどから夜遅くまで飲んだりすると、まさに家に帰って死んだように寝ることになるでしょう。そして寝返りも打たない。
寝違えの原因その2――肝臓を下にできなくなっていた。
飲み過ぎによって寝違えが起こる原因の2つ目です。
お酒で肝臓にダメージを与え過ぎてしまっているということがあります。寝ている姿勢は地面に身体が押し付けられているような状態ですから、どうしても内臓に負荷がかかります。
そして飲み過ぎで肝臓が弱っている時、肝臓は右側にあるので、姿勢の悪さを犠牲にしてでも左側を下に向けて寝たくなるのです。そのせいで右首が突っ張る。今、あなたが右首が痛いならば肝臓を疑いましょう。
寝違えの原因その3――胆嚢をかばおうとしながら寝てしまった。
あるいは肝臓ではなく、揚げ物や油っぽい料理を食べ過ぎて、胆嚢にダメージがあるかもしれません。胆嚢は脂質の消化吸収を助けて老廃物を排出する臓器です。位置は肝臓のすぐ下。酒の飲み過ぎと同じように右首に来ます。
寝違えの原因その4――胃をかばおうとしながら寝てしまった。
同様に胃や膵臓が弱っている可能性があります。位置は左側。右を下にして寝るので左首が突っ張って左側が痛くなっているならば、こちらの臓器かもしれません。
特に胃は食べ過ぎだけでなく、プレッシャーやストレスでもダメージを受けます。
寝違えの原因その5――全身が疲れて寝返りも打てなかった。
全身が疲れ切っていると、寝返りを打つことさえできなくなっている場合があります。寝ている時に本当に睡眠をとることが最優先となってしまい、寝返りを打つこともできなくなってしまうのです。
寝違えをもっとも早いペースで治す方法。
ではこのようなことを踏まえて、とりあえず痛みを軽減するためにはどうしたらいいかということをご説明していきましょう。
まず押さえておくべきなのは「寝違え」は炎症と考えられているということ。いわば首の捻挫です。首から肩にかけての筋肉や筋に急性の炎症が起きて、痛みや運動制限が生じている。
ということで、炎症を緩和させる方法を行っていけばよいということになります。
寝違えが少しでも早く治る方法その1――冷やす
寝違えは冷やすに限ります。氷嚢や氷枕を患部に10分当て、それから少し休憩を取ってからまた10分冷やす、ということを繰り返してみましょう。寒い時期は少し大変ですが、大分楽になるはずです。
おでこ以外にも貼れます。それに動き回ってもなかなかはがれません。風邪の熱冷まシートなどは、勉強の集中力アップにも使えますので、是非一箱家に確保しておくのがおすすめ。
寝違えが少しでも早く治る方法その2――湿布
もちろん「寝る部認定熟睡アイテム」であるバンテリンははずせません。ゲルタイプが一番効果があり長持ちもします。実際塗ってから次にお風呂に入るまで効果があると言っても過言では無いでしょう。
しかし鎮痛剤なのであくまで「対処」に過ぎず、根本となっている炎症が治ってるわけではないことを気をつけましょう。もちろん安静にすることが必要最低条件です。
寝違えが少しでも早く治る方法その3――寝違えに効くツボを押す
寝違えに効くツボというのがあります。「落ちる枕」と書いて「落枕(らくちん)」。中国語でまさに「寝違え」の意味。位置は手の甲の、人差し指の骨と中指が交差している前のくぼみです。
それから飲みすぎや消化吸収などに疑いがある人は、そちらのツボをご紹介しておきましょう。「鳩尾(きゅうび)」と「足の三里(あしのさんり)」です。
鳩尾とは「みぞおち」とも読みますが、その名の通りみぞおちの少し上側、体の重心左右の肋骨が交差している一番下から親指幅一本文だけ下の位置。
足の三里は食べ過ぎや胃の消化吸収を助けさらに疲労回復効果も期待できる、あの松尾芭蕉がお灸を据えていた万能ツボです。
※
ツボ押しはピップエレキバンがおすすめです。磁力によって血流が上がるというのがピップエレキバンの基本的原理ですが、私はやはり磁石の固さがとてもツボを押しやすくなるという利点があると思います。
それに外出している時などツボの位置がよく分からなくなってしまうこともありますので、そこにピップエレキバンを貼っておくことで、少し手が空いた時こまめにマッサージができます。
寝違えの時、厳禁な4つのこと。
寝違えは炎症と言われています。
しかし少し肩凝りと症状が似ているので、つい同じような対処をしてかえって症状を悪化させてしまうようなことがよくあります。
以下の4つのことは厳禁です。
寝違えた時にやってはいけないことその1――患部を伸ばす
首のストレッチ、やりたくなりますよね。
でも肩凝りや足のむくみなどとは違うので逆効果。基本的に触らない方が早く治ります。
寝違えた時にやってはいけないことその2――揉む
首のマッサージも、やりたくなりますよね。
でも同様にやめた方がいいです。
※特に夜中に目が覚めて、「あ、寝違えている!」と気付いた時は注意。その時は慌てず騒がず、揉んだり伸ばしたりせずに、横になりながらまったく痛くない姿勢を探して、そのまま静かに目をつぶってもう一度寝てしまいましょう。
うまくいけば朝起きた時に治っています。
寝違えた時にやってはいけないことその3――温める
炎症は冷やすべきで、温めるのは逆効果です。温めて血流を上げると肩こりや足のむくみなどには効果的なのですが、炎症には良くないとされていますね。お風呂もできれば控えた方がよいです。
寝違えた時にやってはいけないことその4――治ったかどうかの頻繁なチェック
寝違えた時って、何だか知らないけれども、まだ痛いかどうかを調べたくなってくるというマゾヒスティックな衝動は抑え難いものがありますよね。
あるいは人に痛みを訴えようとする時などに、その痛みの度合いを再確認しようとしてしまいます。しかしあなたが痛さを感じた回数だけ、治るまでの時間を長引かせることになります。できるだけ知らんぷりして、我慢することがポイントです。
まとめ――頻繁に起こるなら、病院へ
今回はあなたの辛い寝違えの原因と、対処法、それからやってはいけないことについてご説明していきました。
かなり頻繁に寝違えが起こっている場合は、骨格などに原因があるのかもしれないので放置せず病院に行く方が良いでしょう。病院ならば消炎鎮痛薬なども処方してくれたり、理学療法などを行ってくれたりするはずです。
是非できるだけ早く治し、あなたが普段通りのパフォーマンスに戻られることを心よりお祈りしております。