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なんでシャドーイングが英語の勉強になるの?原理を理解すれば効果倍増!

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英語上達の勉強法として代表的な「シャドーイング」。

シャドーイングは元々は通訳のトレーニング法として生まれた勉強法です。英文をすべて聞き終えてから繰り返す通常の「リピート」とは異なり、シャドーイングはまさに「シャドウ(影)」のようにわずか数秒後を追いかけます。

しかし一体なぜ、シャドーイングがリスニングの向上に役立つのかということを、あなたはわかっているでしょうか?

それがわからないまま、なんとなく「いい」と聞いたから続けている、という人が大半なのではないでしょうか?

今回はシャドーイングがなぜ英語の勉強法として優れているのかということを、第二言語習得理論の論文から考え、そしてそれを踏まえた上で、より効果が上がるために気を付けたいことをご説明していきます。

シャドーイングが英語のリスニング上達に効果的な理由。

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そもそもシャドーイングというのは「喋る」トレーニングですので、なぜそれでリスニングができるようになるのかという点で、少し飛躍を感じるのではないでしょうか。

そこには人間の「運動理論」が関わっています。

人間がリスニングをしている時の少し意外なメカニズムを3点、しっかり理解しましょう。

人間がリスニングをしている秘密その1――人は言語を聞き取る時はただ聞いているだけではない。

例えば日本語を聞く場合も、何か別のことをしていればその意味が取れません。ほとんど集中しなくても聞き取れるけれども、少しくらいは集中していなければ日本語を聞き取ることはできません。

外国語の場合では、その集中を意識的に上げることで聞き取れるようになります。すなわちその「集中」とは具体的に何なのかということをしっかりと理解することが重要です。

人間がリスニングをしている秘密その2――リスニング中、一緒に喋っている

実は人間が音声を聞き取っている時に「喉」の運動部位が活発になっているということが実験からわかっています。単に音声情報を受け取るだけならば、聴覚の部位だけが活発になっているはずなのに、「喉」も活発になっている。

これは何を意味するか。

人間は音声を聞き取る時に、同時に頭の中で相手の言葉を喋るというアクションも起こしているのです。聞き取った音声を、頭の中で続けて喋っている。つまりリスニングにおける「集中」とは、「人間は音声を聞き取っている時に、頭の中で一緒にスピーキングができているか」ということなのです。

人間がリスニングをしている秘密その3――自分の喋った声と相手の声を比べている。

しかしどうしてそのようなことをするのでしょうか?

それは自分の頭の中で発している音声と、相手が発する音声を聞き比べているからです。自分の声を基準として、相対的な違いなどから細かな聞き分けを行っているのです。

いわば音楽で言うところの、「調律」に当たるでしょう。たとえば「ミ」の音を一発で発声するのはとても難しい。でもピアノなどでまず「ミ」の音を出してもらえば、それを基準にして発声できるので簡単になります。リスニングでは、自分の頭の中の声がピアノの音に相当します。その頭の中の声と、相手の声を比較しながら、微妙な音声の違いを聞き分けています。

例えば英語で言えば「L」と「R」の違いは微妙です。特に日本人には難しい。それがどうして外国人は聞き分けられるのかと言うと、頭の中で自分で、「L」と「R」で発音してみているから。自分の声を、相手の声と比較することで聞き分けられているのです。

効果的なシャドーイングの英語勉強法。

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わかりましたでしょうか。

「聞き取る」ことは「喋る」ことなのです。母語ならばそれが自然にできているけれども、外国語ではできない。だから聞き取れない。

したがって脳内で行っていることを具体的に声に出して積極的に行えば、リスニング能力が向上する。それがシャドーイングです。

結局英語のリスニングがきちんとできているときは声には出さずともシャドーイングをしているということが分かるでしょう。つまりシャドーイングをすることによって、その脳内の復唱能力が鍛えられ、そして比較速度が速くなり、そのおかげでリスニング能力がつくということです。

それを踏まえて、シャドーイングで英語の勉強をする時の注意点をまとめてみましょう。

シャドーイングをする際の注意点その1――しっかり、はっきり声に出せなければいけない。

シャドーイングの原理から考えると、単に聞こえた英語を繰り返せばよいというわけではないことがわかります。それがしっかりとスピーキングとしても成立するように繰り返せなくてはいけない。それではじめて相手の声と自分の声が比較できるようになるのであり、はじめてリスニング面で学習効果があるのです。

シャドーイングをする際の注意点その2――語り手の気持ちに寄り添う

リスニングをしている時、他人の気持ちを理解する時に働く「ミラーニューロン」が活性化されているという実験もあります。

そのような点も考えると、ただ同じように続ければ良いとするのは少し上達が遅くなるということが言えるでしょう。実際に語り手がどういう風な気持ちで喋っているかを意識しながら行うことによってよりその比較能力が早くなっていくということが言えるでしょう。

まとめ

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以上今回は、英語上達の勉強法として最も有名とも言える「シャドーイング」の原理について第二言語習得理論の知見から説明し、シャドーイングをする際の注意点や上達には何が必要か本質的なのかということについて説明してきました。

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ただしもちろん第二言語習得で大切なことといえば、シャドーイングが自分に今の段階で最も効果的な練習方法なのかどうかということだけはよく注意しておきましょう。学習者それぞれのレベルや目標によって課題が異なりますので、まずはそれをしっかりと見極めることが大切なのです。

参考

門田修平、『インプットをアウトプットにつなぐシャドーイング:理論と実践の連携』2011

http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_10499832_po_ART0009897243.pdf?contentNo=1&alternativeNo=