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毎年必ずシェイクスピア全作品を読む男が初心者におすすめな5作品を選んでみた。

読書はお好きですか?

そろそろ新しいジャンルに踏み込むのはいかがでしょうか。ここではまだシェイクスピアの名前しか聞いたことがないという方が読むのに最適な、おすすめ作品を5つご紹介しましょう。

私は1年に1回は全作品を読み返すほど好きです。つまり合計全部を10回くらい読みました。作品によっては100回は読んでいるものもあります。シェイクスピアは読み返すごとに面白く感じるポイントや読み方が変わるのが楽しいのです。シェイクスピアは、私が自分の経験や考え方を振り返る大切な鏡の役割をしていると言っても過言ではありません。

あなたも一作品でも読んでみれば、人生がもっと豊かで晴れやかなものになるはずです。

シェイクスピアとは一体誰か。

シェイクスピアはルネサンス期を代表する劇作家です。つまり1600年頃のエリザベス女王時代のイギリスで大人気だった脚本家なのです。今で言えば三谷幸喜や、「北の国から」の倉本聰のようなもの。しかもその何倍もすごいです。

あまりにも多くのキャラクターが生み出されているため複数の人間が書いたのではないかということまで噂されるほど。当時哲学者のサミュエルベーコンが活躍していましたので、その人が書いていたのでは?などと言ったゴシップもあります。

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さらにキャラクターのみならず、彼の作品群も非常にバラエティ豊か。笑えるような喜劇作品から、とても深遠で涙を誘うような悲劇、さらには魔法などを使うロマンス劇などもあります。また不思議な結末を迎えるような今で言う不条理劇に相当するような問題劇もありますし、さらにソネット集という詩作品も出しています。

その第18番「君を夏の日にたとえようか。/いや、君の方がずっと美しく、おだやかだ。」から始まるソネットは、英語圏で知らない人はいないというほど有名。「夏の日」と「恋人」を比較する発想なんて、ちょっぴりキザだけど、やっぱりすごいと思いません?

シェイクスピア作品の選び方

シェイクスピア作品をさて読もうと思っても、一体何から手をつければ良いか分からないですよね。私も大学時代にシェイクスピアの研究を始めた時、そのような悩みにもちました。どうせ読むならできれば自分にぴったりの作品を読みたいのが本音。

ではどのような点に気をつけて選べば良いのでしょうか。

まず注目すべきは作品のジャンルと、翻訳者です。

順に見ていきましょう。

シェイクスピア作品の選び方その1――作品のジャンルから選ぶ

シェイクスピアには主にジャンル分けとして喜劇と悲劇、歴史劇とロマンス劇があります。あなたにぴったり合うものを選びましょう。

ジャンルその1――喜劇

文字通りおもしろおかしく劇場で笑いが起こるような劇です。とにかく楽しくシェイクスピアを読みたいという人にオススメ。私もそこからシェイクスピアに入ったことを覚えています。初心者でも人物関係を最初に把握しさえすれば、とても面白く読み進めていける。

しかもシェイクスピアの喜劇の場合は単に面白おかしいというだけのみならず、一度読んだだけでは全てを理解できないほどのテクニックや見所がたくさんあるのです。

ジャンルその2――悲劇

こちらも文字通り悲しい劇。すなわち主人公が最終的に不幸になるような結末の物語です。確かに悲劇的な部分を理解するのはある程度の人生経験があった方が良いかと思います。私自身20代の頃に読んでいた頃よりも37になったほうが、より面白みを感じます。

主人公が悲しみを語る長広舌は今のドラマに見慣れているとやや大袈裟にも見えるかもしれませんが、その「大袈裟さ」が面白くなりはじめると止まりません。いかにも適切な言い回しと、絶妙な言葉遣いに全身鳥肌が立つようなこともあるでしょう。

どちらかというと有名な作品はこちらの悲劇に多いので、それほど悲劇を抵抗がなくて、とりあえず有名どころを読んでみたいという人にはおすすめです。

ジャンルその3――歴史劇

シェイクスピアはいわば大河ドラマに当たるようなイギリスのやローマ時代の歴史を描いた作品もたくさん。ジュリアスシーザーや、イギリスの薔薇戦争などを描いた作品です。

世界史が大好きで、知識をお持ちならばぜひおすすめ。単なる歴史の描写に止まらないその深い人物描写はきっと何倍も世界史を好きにしてくれるはず。

でももし世界史をあまり知らない場合は、話についていけない危険性もあります。ですので別のジャンルを選びましょう。

ジャンルその4――ロマンス喜劇

シェイクスピアはまず最初に歴史劇と喜劇をたくさん書いていました。それから劇作家人生の中盤に差し掛かると、悲劇をたくさん書くようになりました。有名な四代悲劇などもこの時期に書かれた作品です。そしてその後の円熟期になると、そこからもう一度喜劇的な物語をたくさん執筆するようになります。それがロマンス喜劇と呼ばれるジャンルです。

まさに熟練の筆遣い。既成の概念にとらわれないような物語の数々。あまり典型的なものが好きではない天邪鬼タイプのあなたには、たまらない作品が沢山あると言えるでしょう。

シェイクスピア作品の選び方その2――翻訳家――小田島雄志がぜったいおすすめ!

シェイクスピアはとても人気な劇作家ですので、数多くの人たちが翻訳を書いています。どの翻訳がいいのでしょうか?

私のおすすめは小田島雄志さんの翻訳。なにしろこの人は37作品全てを翻訳していますので、一つの作品を読んだ後にまた別の作品を読みたくなった時、その文体の癖に慣れているので読みやすいという利点があります。また翻訳も大げさすぎず、原文にかなり忠実です。

シェイクスピアおすすめ作品5選。

では早速シェイクスピアの初心者におすすめな作品を5つご紹介しましょう。

シェイクスピアおすすめ作品その1――400年愛された超ロングラン作品!「夏の夜の夢」

あなたも名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。妖精の世界と宮廷の世界が交錯しながら森の中で関係がどんどん複雑になっていくシェイクスピアのオリジナル作品です。

物語展開が三谷幸喜のようにどんどん複雑になっていくあたりはとても面白いかと思います。妖精や恋愛など、どちらかというと女子向けのかわいい物語というイメージがありますが、男子も十分楽しめる硬派さも備わっているのがシェイクスピアのすごいところ。いわば「ぷよぷよ」と言えるでしょう。ぷよぷよは女の子向けっぽいパッケージではありますが、男も面白いでしょ?

とりあえず何から読もうかわからないという人は、まずこの作品から読んでみると確実でしょう。

シェイクスピアおすすめ作品その2――読みやすく一気読みもできる!「マクベス」

シェイクスピアの四大悲劇、つまり世界的に最も優れているといわれる作品が四つあるのですが、そのうちのひとつがこれ。

『マクベス』のよいところは展開が一つで、どんどん物語が進んでいくスピード感。分量もかなり短く、一気読みも可能です。本を読むのがあまり得意ではないけれど、とりあえずシェイクスピアを何か読んでみたいという人に一番おすすめと言えるでしょう。ちょっと語弊があるかもしれませんが、これが一番お手軽作品なのです。

内容もマクベスという人物が王様を殺害して王位につくという下克上物語と、わかりやすい。

でもわかりやすいながらも、その恐ろしい行動に至るまでの、彼の奥さん、いわゆる「マクベス夫人」のものすごいエネルギーのこもった台詞の数々や、さらに肝心要のシーンで、なんと、とんでもなくくだらない「おふざけ」が入っているなど、これぞシェイクスピアがシェイクスピアたるゆえんというか、この大文豪のたぐいまれな才能が大爆発したその火の粉の中を、あなたは駆け抜けることとなるでしょう。

シェイクスピアおすすめ作品その3――古今東西の文学史上最高傑作!「ハムレット」

これもマクベスと並ぶ四大悲劇の一つ。一番シェイクスピアで有名な作品と言えるかもしれません。一番有名ということは世界文学史上一番有名な作品とさえ言っても良いでしょう。

ハムレットのすごいところはこの作品は分量がかなりあるのですが、その分量を一切感じさせないところです。それだけどの言葉も洗練されていて、まったく無駄がない。見事な表現の目白押しなのです。いや、「見事な表現しかない」とさえ言えます。実際この戯曲の最初の「誰だ!」からはじまる、ありとあらゆる台詞が、ありとあらゆる角度から、ありとあらゆる人に研究し尽くされているのです。

私は研究者ではないので、普通に楽しんで何度も読んでいます。そして悲劇に見舞われるハムレットに対して、読むごとに、また年を取っていろいろなことを経験するごとに、共感できるポイントが変わっていくところが面白いと思っています。これから長い人生を歩んでいく中で、何度も読み直せる、いや読めば読むほど面白くなる作品ですので、若いうちに読んでおくほうが絶対お得です。

シェイクスピアおすすめ作品その4――捻れた性格の大悪人キャラ!リチャード三世

シェイクスピアの初期の代表的な歴史劇。

陰謀に次ぐ陰謀、血で血を洗うイギリス王朝の争いの中で、大悪人で性格最悪のリチャード3世が様々な手練手管を酷使して王にまで成り上がっていく物語。その生まれながらの悪、という男の、とてつもなく生き生きとしたワル台詞の数々が、悪役ながらなんだかとても魅力を感じさせます。

中でも、リチャード3世が暗殺した男の奥さんを、その葬式の時に口説き落とすところが最高。その無茶苦茶な展開が無茶苦茶に思えないほど見事に会話が構成されているところがおすすめポイント。

でもイギリスの歴史をよく知っておかないと登場人物などの整理するのが少し大変です。歴史劇に限りませんが、基本的に新しい登場人物などをいらない紙などに手で書きながら読みすすめるようにすると、読みやすくなりますよ。いちいち細かく人物関係を整理して書く必要はそれほどありません。名前を手で書くだけでも、かなり効果があります。

参考

tsukarukatamade.hatenablog.com

シェイクスピアおすすめ作品その5――性と倫理を問う問題作!「尺には尺を」

これは今までご紹介した作品ほど有名というわけではありません。また紹介していない作品で、「尺には尺を」よりも有名なシェイクスピア作品はもっとあります。

ですがこの作品は、私としてはいかにもいくつも問題を孕んだ、後期のシェイクスピアらしい作品だと思います。セックスや倫理の問題を孕み、随所にブラックジョークなどもあってテンポもよい。普通のシェイクスピア作品じゃやだ!と思うへそ曲がりなあなたには最適だと思ってご紹介することにしました。

まとめ――学生のうちに免許を取っておく以上に、シェイクスピアを読んでおいた方がいい。

 もしかするとシェイクスピアは、学校の歴史の教科書に載っているくらいだから、単なる「優等生的な物語」とあなたは思っているかもしれません。

でもいかがでしょうか?ただの優等生だったら、さまざまに思想に変化があった何百年もの間、これだけ多くの人々から愛されることができたでしょうか?きっとこの大文豪は、あなたのファーストインプレッションをいい意味で裏切るはずです。思いっきり登場人物に感情移入して読むのもよいですが、たとえばあなたみたいに、少し「虚構」とか「ドラマ」に対して距離を置いてしまうとか、少し冷笑気味になってしまうとかいったタイプをも十分楽しませる、なかなかパンクなポイントがシェイクスピアにはふんだんに盛り込まれています。

本当は「あれも読んでもらいたい!」とか「あれのあそこのシーンが面白いんだぜ!」とかたくさん言いたいことはあるのですが、知らない人にぺらぺらと語るのは禁物だと私は口をつぐんでいます。とにかくはっきり言えることは、人生で一度もシェイクスピアを読まないのは絶対に損ということ。

どうかあなたも1作品でも実際に読んでみて、もし機会があれば、いつか私とシェイクスピアについて語り合ってくださいね。